2023年本屋大賞の作品の感想です。
大賞 『汝、星のごとく』凪良ゆう(著)講談社 443.5点
2020年、『流浪の月』で第17回本屋大賞を受賞。
2023年には『汝、星のごとく』で第20回本屋大賞と第10回高校生直木賞を受賞。
凪良作品は、繊細な心理描写と、社会の底辺で生きる人々への温かい視線で評価されています。また、BL小説も数多く執筆しており、その分野でも高い人気を誇っています。
凪良ゆうの『汝、星のごとく』は、瀬戸内の島で育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)の物語です。
『流浪の月』に似た雰囲気で、ハッピーエンドでもバッドエンドでもない終わり方がいい。個人的には『流浪の月』の方が好み。
凪良ゆうの作品好き。
2位 『ラブカは静かに弓を持つ』安壇美緒(著)集英社 388点
3位 『光のとこにいてね』一穂ミチ(著)文藝春秋 337点
4位 『爆弾』呉勝浩(著)講談社 307.5点
呉勝浩(ご かつひろ)は、2015年、第61回江戸川乱歩賞を「道徳の時間」で受賞しデビュー。2017年、「爆弾」で第158回直木三十五賞候補。2018年、「白い衝動」で第20回大藪春彦賞を受賞。2020年、「スワン」で第41回吉川英治文学新人賞、第73回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門を受賞。
日本最大級のミステリランキング、『このミステリーがすごい! 2023年版』(宝島社)、『ミステリが読みたい! 2023年版』(ハヤカワミステリマガジン2023年1月号)国内篇で驚異の2冠!!◎第167回直木賞候補作◎
題名通り、連続爆弾爆破テロの話。普通に面白けど、もっと本筋をスッキリ出来たら本屋大賞や直木賞も行けたかも。
読後感は悪め。
5位 『月の立つ林で』青山美智子(著)ポプラ社 254.5点
6位 『君のクイズ』小川哲(著)朝日新聞出版 244点
7位 『方舟』夕木春央(著)講談社 232点
夕木春央さんの作品は、緻密な構成と巧みな伏線、そして独特な世界観で、読者を魅了しています。
2022年9月に発売された3作目『方舟』は、「週刊文春ミステリーベスト10」2022年国内部門1位、「MRC大賞2022」1位を獲得するなど、高い評価を得ています。
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
生存のためには、9人の中から1人を選んで犠牲にしなければならない。柊一たちは、究極の選択を迫られる。
本作は、密室というシチュエーションを舞台に、人間の本性を描いたサスペンスです。
緻密な構成と巧みな伏線、そして衝撃的な結末で、読者を最後まで飽きさせません。
状況設定は無理筋、トリック・推理は普通でも、読みやすい。何よりラストのどんでん返しが切れ味最高。
題名の「方舟」があまり効いていない。奇をてらわずに普通に概要が分かる題名の方が良かった。旧約聖書シリーズを考えているのかもしれないが。
夕木春央さんは、今最も注目されているミステリー作家の一人です。
今後の活躍が楽しみです。
8位 『宙ごはん』町田そのこ(著)小学館 225.5点
2021年には「52ヘルツのクジラたち」で本屋大賞を受賞。本作は、29歳の女性、孤独をテーマにした連作短編集。第156回直木三十五賞候補にも選ばれた。
町田作品は、独特な文体と、登場人物の心の奥底を描き出す力強さで評価されています。また、作品中に音楽や映画など、さまざまなカルチャーが登場することも特徴です。
育ての親から実の母親の元に戻った娘の話。状況設定のユニークさもあり読み始めは辛くない。ストーリー展開は平々凡々。そこそこ面白い。
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