【読後感想】2023年本屋大賞

大賞　『汝、星のごとく』凪良ゆう

2位 『ラブカは静かに弓を持つ』安壇美緒

3位 『光のとこにいてね』一穂ミチ

4位　『爆弾』呉勝浩

呉勝浩氏の『爆弾』を読了した。

本作は、都内で連続爆発が発生するという事件を描いたノンストップ・ミステリーである。爆発の予告をしてきたのは、酒屋の店員を殴って逮捕されたスズキという男。彼は「霊感がある」と言い、次々と爆発の場所と時刻を当てていく。

警察はスズキの予告を信じ、爆発の阻止に奔走する。しかし、スズキの予告は的確で、爆発は次々に起こっていく。

本作の魅力は、何と言っても爆弾魔の悪意の描写である。スズキは、ただ単に破壊を楽しむだけの、単なる悪者ではない。彼は、社会の矛盾や不条理に憤り、その怒りを爆発という形で表現しようとしているのだ。

スズキの予告は、単なる予告にとどまらない。彼は、爆発という手段を使って、社会に警鐘を鳴らすつもりなのだ。

本作は、爆弾魔の悪意を描いたミステリーであると同時に、社会の矛盾や不条理を浮き彫りにした作品でもある。読後、読者は、社会のあり方に改めて考えさせられるだろう。

また、本作は、多視点で描かれている点も特徴的である。スズキの視点だけでなく、警察の視点、爆発に巻き込まれた人々の視点など、さまざまな視点から事件が描かれている。

これにより、読者は、事件をより立体的に理解することができる。

本作は、スリリングな展開と社会的なテーマを兼ね備えた、読み応えのある作品である。ぜひ一度読んでみてほしい。

以下に、本作の具体的な感想をいくつか挙げる。

スズキの悪意は、とても恐ろしいものだった。彼は、ただ単に破壊を楽しむだけの悪者ではなく、社会の矛盾や不条理に憤り、その怒りを爆発という形で表現しようとしているのだ。

スズキの予告は、単なる予告にとどまらない。彼は、爆発という手段を使って、社会に警鐘を鳴らすつもりなのだ。

本作は、社会のあり方に改めて考えさせられる作品だった。

多視点で描かれている点も、本作の魅力の一つだと思う。

全体的に、とても面白く、考えさせられる作品だった。