今年の春に奈良を撮影取材した際に、いくつか天皇陵を撮影。気になることがあってちょっと調べてみました。
栗原塚穴古墳
これは奈良の明日香にある栗原塚穴古墳。現在宮内庁によって文武天皇の陵墓の檜隈安古岡上陵に治定されています。ここで疑問がわいて来ました。
文武天皇陵=檜隈安古岡上陵=栗原塚穴古墳???
なぜお墓にいくつも名前があるのかな?
調べた結果を少し。
まず天皇の陵墓(お墓)は天皇陵(てんのうりょう)もしくは陵(みささぎ)と呼ばれています。天皇陵にはそれぞれ正式な名前(御陵名)が付いています。古い時代の天皇陵は古墳になっている場合が多く、この古墳には古墳としての学術的な名前がついています。
文武天皇の場合
お墓の通称が「文武天皇陵」、文武天皇の陵ってことですね。
御陵名が「檜隈安古岡上陵」、これがお墓の正式名称。
この文武天皇のお墓である檜隈安古岡上陵がある場所が「栗原塚穴古墳」、これは宮内庁により治定されています。
といことは
文武天皇陵=檜隈安古岡上陵=栗原塚穴古墳
が成り立つのかと思いきや、そうでもないようです。
文武天皇陵=檜隈安古岡上陵
これは決め事なので間違いないですよね。問題なのはその場所のようです。
宮内庁は、多分色々な調査・研究により檜隈安古岡上陵がある場所を栗原塚穴古墳と決めたのですが、どうも最新の学術的な研究では、檜隈安古岡上陵がある場所は栗原塚穴古墳ではなくの近くにある中尾山古墳ではないかと考えられているそうなのです。
つまり
文武天皇陵=檜隈安古岡上陵
ではあるけれども
檜隈安古岡上陵=栗原塚穴古墳
ではない可能性が大きいようです。
他の天皇陵も同様に、学術的に治定が疑わしいところもあるようです。
東京国立博物館 常設展
2 か月前
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