2025年7月に発表された第173回直木三十五賞。読書好きの誰もが固唾を飲んで見守った結果は、なんと**「該当作なし」**という驚きの結末でしたね!
興奮と期待を胸に読み進めた数々の候補作。いったい何が足りなかったのか?そして、この結果が意味するものとは?
今回は、惜しくも受賞を逃した候補作を振り返りながら、この異例の結果について考えてみたいと思います。
第173回 直木三十五賞 候補作一覧(そしてその行方)
錚々たる顔ぶれが並んだ今回の候補作。発表を前に「私の直木賞はこれだ!」と読み込んだ人も多いのではないでしょうか。
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逢坂 冬馬『ブレイクショットの軌跡』
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前作の鮮烈なデビューから、再び文学界を揺るがすかと思われましたが、今回は受賞には至らず。しかし、彼の描く物語の軌跡は、今後も目が離せません。
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青柳 碧人『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』
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江戸川乱歩と杉原千畝という異色の組み合わせに多くの読者が魅了されました。歴史とミステリーの融合は、確かに読み応えがありましたが、今回は審査員の心を掴むまでには至らなかったようです。
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芦沢 央『嘘と隣人』
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人間の心理の闇を巧みに描く芦沢氏の真骨頂。日常に潜む不穏さを描いた作品は、読者に強い印象を残しましたが、頂点には届かず。
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塩田 武士『踊りつかれて』
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社会派から人間ドラマまで幅広く描く塩田氏の作品。タイトルからして深いテーマを感じさせましたが、今回は「踊りつかれ」たのは作品自体だったのでしょうか。
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夏木 志朋『Nの逸脱』
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新進気鋭の夏木氏の作品は、その斬新さで注目されましたが、今回は惜しくも選外に。今後の「逸脱」に期待が高まります。
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柚月 裕子『逃亡者は北へ向かう』
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骨太なエンターテインメントに定評のある柚月氏。今回も手に汗握る展開を期待しましたが、直木賞の栄冠は次の機会に持ち越しとなりました。
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なぜ「該当作なし」だったのか?
「該当作なし」という結果は、直木賞の歴史の中でもそう多くありません。これは、候補作に素晴らしい作品が多数あったとしても、審査員全員が「これこそは」と満場一致で推せるほどの突出した作品がなかったことを意味します。
もしかしたら、
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個々の作品は魅力的だが、直木賞が求める「大衆文学としての完成度」や「時代を象徴する力」にわずかに及ばなかったのかもしれません。
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あるいは、審査員の間で評価が割れ、最終的に一本に絞りきれなかった可能性も考えられます。
いずれにしても、これは候補作のレベルが低いということでは決してなく、むしろ直木賞の審査基準の厳しさ、そして文学界全体のレベルの高さを示すものとも言えるでしょう。
あなたはどう読みましたか?
今回の結果を受けて、あなたはどんな感想を抱きましたか? 「あの作品こそ受賞すべきだったのに!」と感じた方もいるかもしれませんし、「確かに、今回は決め手に欠けたかも…」と納得された方もいるかもしれません。
私たち読者は、文学賞の結果に一喜一憂しますが、本当に大切なのは、それぞれの作品が持つ物語の力です。今回の候補作の中にも、きっとあなたの心に深く刻まれた一冊があったはずです。
発表は終わりましたが、これらの作品が持つ魅力は変わりません。ぜひ、まだ読んでいない候補作があれば、この機会に手に取ってみてください。そして、あなた自身の「直木賞」を見つけて、その感動を共有しませんか?
次の直木賞発表まで、また新たな傑作が生まれるのを楽しみに待ちましょう!
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